ワキガはドラッグストアで対策できる?おすすめ商品と選び方を解説

患者の脇にガーゼを当てている医師

ワキガ(腋臭症)の臭いが気になると、まず手軽に購入できるドラッグストアの商品で対策しようと考える方は多いのではないでしょうか。実際に、デオドラント剤や制汗スプレー、専用の拭き取りシートなど、ワキの臭い対策を目的とした商品は数多く市販されています。しかし、「ワキガ対策」と書かれた商品を使っても「なかなか臭いが取れない」「効果が持続しない」と感じている方もいるかもしれません。この記事では、ドラッグストアで購入できるワキガ対策商品の種類や特徴、選び方のポイントを医学的な観点から解説するとともに、セルフケアの効果と限界についても詳しくご説明します。


目次

  1. ワキガとは何か?臭いのメカニズムを理解しよう
  2. ドラッグストアで買えるワキガ対策商品の種類
  3. デオドラント商品の成分と効果の違い
  4. ドラッグストア商品の選び方のポイント
  5. 効果的なセルフケアの方法と使い方のコツ
  6. ドラッグストア商品では対応しにくいケースとは
  7. ワキガのセルフチェック方法
  8. 医療機関での治療との違いと使い分け
  9. まとめ

この記事のポイント

ドラッグストアのデオドラント商品は汗や臭いを一時的に抑える対症療法であり、ワキガの原因であるアポクリン汗腺への根本治療にはならない。軽度には市販の塩化アルミニウム配合の医薬部外品が有効だが、臭いが強い場合や日常生活に支障がある場合は医療機関での専門治療が推奨される。

🎯 ワキガとは何か?臭いのメカニズムを理解しよう

ワキガ対策の商品を正しく選ぶためには、まずワキガがどのようなメカニズムで発生するのかを理解することが大切です。

ワキガとは、医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれる状態で、脇の下から独特の強い臭いが発生する症状のことを指します。この臭いの原因は、脇の下に存在する「アポクリン汗腺」という特殊な汗腺にあります。

人間の体には大きく分けて2種類の汗腺があります。一つは全身に分布している「エクリン汗腺」で、主に体温調節のために働き、さらさらとした水分の多い汗を分泌します。もう一つが「アポクリン汗腺」で、こちらは脇の下・乳輪周辺・陰部・耳の中などの限られた部位にのみ存在し、タンパク質や脂質、アンモニア、フェロモン様物質などを含んだ粘稠度の高い汗を分泌します。

アポクリン汗腺から分泌された汗そのものは、分泌直後は無臭またはほぼ無臭です。しかし、皮膚表面に常在している細菌(皮膚常在菌)が、この汗に含まれるタンパク質や脂質などを分解する過程で、揮発性の有機化合物が生成されます。この揮発性物質こそが、ワキガ特有の臭いの正体です。

アポクリン汗腺の数や大きさには個人差があり、遺伝的な影響が非常に大きいとされています。両親のどちらかがワキガの場合、子どもに遺伝する確率はおよそ50〜75%といわれており、両親ともにワキガの場合はほぼ確実に遺伝するとも言われます。また、ワキガは人種によっても差があり、欧米人や日本人以外のアジア人では多く見られる一方、日本人は比較的少ないとされています。

ワキガの臭いに影響する要因としては、アポクリン汗腺の数や活動の程度のほか、皮膚の清潔度、細菌の種類・量、ホルモンバランス、食生活、体温なども関係しています。思春期以降にホルモンバランスが変化することでアポクリン汗腺が活発になるため、ワキガの症状はこの時期から現れることが多いです。

Q. ワキガの臭いはなぜ発生するのですか?

ワキガの臭いは、脇の下のアポクリン汗腺から分泌される汗が原因です。分泌直後の汗は無臭ですが、皮膚の常在菌がその汗に含まれるタンパク質や脂質を分解する過程で、揮発性の有機化合物が生成され、ワキガ特有の独特な臭いが発生します。

📋 ドラッグストアで買えるワキガ対策商品の種類

ドラッグストアにはさまざまなワキガ対策商品が並んでいます。大きく分けると以下のようなカテゴリーに分類されます。

🦠 制汗デオドラントスプレー

スプレータイプのデオドラント剤は、最も一般的なワキガ対策商品の一つです。使いやすさと持ち運びやすさが特徴で、さっとひと吹きで使用できます。汗を抑える制汗成分と、臭いを防ぐデオドラント成分の両方を配合しているものが多く、即効性があります。ただし、効果の持続時間は製品によって異なり、数時間程度で再塗布が必要になることもあります。

👴 ロールオン・クリームタイプ

肌に直接塗り込むタイプのデオドラント剤です。スプレータイプよりも塗布量のコントロールがしやすく、肌への密着度が高いため、効果が持続しやすいとされています。就寝前に使用することで翌日の臭いを防ぐ「夜塗り」タイプも多く、特に塩化アルミニウムを主成分とした製品は汗腺をふさぐ働きが強いため、より高い制汗効果が期待できます。

🔸 デオドラントシート・ウェットティッシュ

外出先での使用や、汗をかいた後のケアに適した商品です。汗や臭いを拭き取りながら、デオドラント成分を肌に塗布できます。持ち運びやすく、バッグに入れておけばいつでも手軽にケアできる点が魅力です。ただし、拭き取り後の制汗・防臭効果は長続きしないことが多いため、あくまで補助的なケアとして使用するのが一般的です。

💧 デオドラントスティック・固形タイプ

固形のデオドラントを直接肌に塗るタイプです。欧米では古くから使われている形状で、日本でも近年選択肢が増えています。ロールオンタイプと同様に肌への密着度が高く、塗布量を調整しやすいのが特徴です。乾燥が早く、衣服への付着が少ない製品も多くなっています。

✨ ミョウバン商品・天然成分系デオドラント

ミョウバン(硫酸カリウムアルミニウム)は古くから制汗・殺菌効果があるとして使われてきた天然成分です。皮膚のpHを弱酸性に保ち、細菌の繁殖を抑える効果があるとされています。化学成分に敏感な方や、できるだけ自然な成分を選びたい方に選ばれることが多いですが、塩化アルミニウムを含む製品と比べると制汗効果はやや弱い傾向があります。

📌 デオドラントパウダー

粉末状のデオドラント剤で、汗を吸収しながら臭いを防ぐ効果があります。さらさらとした使用感が特徴で、汗ばみやすい方に好まれることがあります。ただし、使用量の調整が難しく、衣服に付きやすいという面もあります。

▶️ 制汗インナー・ワキパッド

衣服に装着するパッドや、制汗機能を持つインナーウェアも、直接的なデオドラント剤ではありませんが、汗の吸収と拡散を助けることで臭いの発生を軽減する効果が期待できます。デオドラント成分を含んだパッドも市販されており、衣服の汚れを防ぐ効果もあります。

💊 デオドラント商品の成分と効果の違い

ドラッグストアのデオドラント商品に含まれる主な成分について、その効果と特徴を理解することで、自分に合った商品を選びやすくなります。

🔹 塩化アルミニウム

市販の制汗デオドラント剤に最もよく使われる制汗成分の一つです。汗腺の開口部に作用して汗の分泌を物理的に抑える効果があり、制汗効果の高さで知られています。濃度が高いほど効果は高くなりますが、皮膚への刺激も強くなるため、使い始めは低濃度の製品から試すことが推奨されます。医療機関で処方される高濃度の塩化アルミニウム溶液(20〜30%程度)と比較すると、市販品の濃度は低く設定されています。

📍 殺菌・抗菌成分

ワキガの臭いは皮膚常在菌が汗を分解することで生じるため、菌の繁殖を抑える殺菌・抗菌成分は臭い対策において重要な役割を担います。代表的なものとして、塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)、クロルヒドリンなどがあります。これらの成分が皮膚表面の細菌の数を減らすことで、臭いの発生を抑えます。

💫 消臭成分

臭いの原因物質と化学的に反応して、臭いを中和または変化させる成分です。柿タンニン、緑茶ポリフェノール、サイクロデキストリンなどがよく使われます。これらは菌の繁殖を抑えるのではなく、すでに発生した臭い物質を吸着・分解・中和する仕組みで機能します。

🦠 香料・マスキング成分

臭いを根本から消すのではなく、香りで覆い隠す働きをする成分です。多くのデオドラント製品に配合されており、使用直後の不快な臭いを感じにくくする効果があります。ただし、香料成分による肌荒れや香りそのものへの不快感を持つ方もいるため、敏感肌の方は無香料タイプを選ぶとよいでしょう。

👴 収れん成分・肌ケア成分

肌を引き締めて毛穴・汗腺の開きを整えるとともに、肌コンディションを保つ保湿成分なども配合されている製品があります。デオドラント剤を長期間使用すると肌が乾燥したり荒れたりすることがあるため、こうした肌ケア成分が入っていると皮膚トラブルのリスクを軽減できます。

Q. ドラッグストアのデオドラント商品はどう選べばよいですか?

ドラッグストアでワキガ対策商品を選ぶ際は、まず「医薬部外品」と表示された製品を選ぶのが基本です。臭いが強い場合は塩化アルミニウム配合のロールオンやクリームタイプが効果的で、敏感肌の方はアルコールや香料が少ない低刺激タイプを選ぶと肌トラブルを防ぎやすくなります。

🏥 ドラッグストア商品の選び方のポイント

数多くの商品が並ぶドラッグストアで、自分に合ったワキガ対策商品を選ぶためのポイントを整理します。

🔸 臭いの程度に合わせた成分を選ぶ

臭いが比較的軽度であれば、市販のスプレータイプや消臭成分配合の商品でも十分対応できる場合があります。一方、臭いが強い場合や制汗効果を重視するなら、塩化アルミニウムの配合濃度が高めのロールオンタイプやクリームタイプを選ぶと効果を感じやすいでしょう。

💧 肌質に合った製品を選ぶ

敏感肌の方は、アルコールや香料の含有量が少ない製品、あるいは無添加・低刺激をうたった製品を選ぶのがおすすめです。使い始めは少量を試し、かぶれや赤みが出ないか確認しながら使用することが大切です。

✨ 使用シーンやライフスタイルに合わせた形状を選ぶ

朝の忙しい時間にさっと使いたいならスプレータイプ、しっかりとした効果を求めるなら就寝前に使うロールオンタイプ、外出先でのケアにはシートタイプなど、シーンや使い方に合わせて選ぶと無理なく継続できます。

📌 「医薬部外品」と「化粧品」の違いを確認する

デオドラント商品には、「医薬部外品」と「化粧品」の2種類があります。医薬部外品は、国(厚生労働省)が有効成分と効能を認めた製品で、パッケージに「制汗」「防臭」などの効能効果を表記することが認められています。一方、化粧品に分類される製品は効能効果の表記が制限されており、デオドラントとしての働きは医薬部外品より控えめになることが多いです。臭いや汗が気になる方は、まず「医薬部外品」と表示された製品を選ぶとよいでしょう。

▶️ コスパと継続しやすさも考慮する

ワキガ対策は毎日続けることが重要です。価格や使いやすさも含めて、長期間継続できる商品を選ぶことが大切です。容量や価格帯をよく確認し、自分の使用頻度に合ったものを選びましょう。

⚠️ 効果的なセルフケアの方法と使い方のコツ

ドラッグストアの商品を使っても「なかなか効果を感じられない」という方の多くは、使い方や日常的なケアの習慣に改善の余地がある場合があります。商品の効果を最大限に引き出すためのセルフケアのポイントをご紹介します。

🔹 清潔な肌に使用する

デオドラント剤は、清潔な肌に使用するのが基本です。皮膚の汚れや汗が残った状態で使用すると、成分が肌に十分に浸透・密着せず、効果が半減します。入浴後や洗浄後の清潔な状態で使用することを心がけましょう。

📍 就寝前の使用が効果的な場合も

特に塩化アルミニウムを含む制汗剤は、就寝前に乾燥した肌に使用することで効果を発揮しやすいとされています。睡眠中は汗の分泌量が少ないため、成分がより効果的に汗腺に作用します。朝に使用するよりも、夜に使用する「夜塗り」の方が制汗効果が高まるケースがあります。

💫 正しい体の洗い方を心がける

毎日の入浴時に、脇の下を丁寧に洗うことも臭い対策の基本です。ただし、ゴシゴシと強くこすりすぎると皮膚バリアが傷つき、かえって細菌が繁殖しやすい環境になることがあります。低刺激の石鹸や体を洗うソープを使い、やさしくなで洗いする程度が適切です。また、洗いすぎによる必要な皮脂の除去は、皮膚の乾燥を招きバリア機能を低下させるため注意が必要です。

🦠 衣服の素材と清潔さにも注意する

衣服に汗や臭い成分が染み込むと、臭いが残ったり増幅したりすることがあります。通気性の良い素材(綿や機能性素材)の下着や衣服を選ぶことで、汗の蒸発を助け臭いを抑えやすくなります。また、着用後は速やかに洗濯し、衣服を清潔に保つことも重要です。

👴 食生活の見直し

食生活もワキガの臭いに影響することがあります。動物性脂肪の多い食事、ニンニクやネギなどの刺激物、アルコールなどは、汗の成分に変化を与え臭いを強める可能性があるとされています。バランスの良い食事を心がけることは、全身の健康のためにも重要です。ただし、食生活の改善だけでワキガが根本的に治るわけではありません。

🔸 脇の除毛

脇毛は汗や臭い物質が付着して蒸発しにくくなるため、臭いが強くなる一因とされています。脇毛を処理することで、皮膚の清潔さを保ちやすくなり、デオドラント剤の肌への密着性も高まります。自己処理の際は、皮膚への刺激を最小限にするよう心がけることが大切です。

Q. 制汗剤は朝と夜どちらに使うのが効果的ですか?

塩化アルミニウムを含む制汗剤は、夜寝る前に乾燥した清潔な肌へ使用する「夜塗り」が効果的です。就寝中は汗の分泌量が少ないため、成分が汗腺により効率よく作用します。朝に使用するよりも制汗効果が高まるケースが多く、夜のスキンケアに取り入れることが推奨されます。

🔍 ドラッグストア商品では対応しにくいケースとは

ドラッグストアのデオドラント商品はさまざまなケースに対応していますが、すべてのワキガに対して十分な効果をもたらすわけではありません。以下のようなケースでは、セルフケアだけでは限界を感じることが多いです。

💧 臭いが強い・中等度以上のワキガ

アポクリン汗腺の数が多く、もともと臭いが強いタイプのワキガの場合、市販のデオドラント剤で臭いを抑えることが難しくなります。特に他者から臭いを指摘されるほどの臭いがある場合や、日常生活に支障をきたしている場合は、市販品での対応だけでは不十分なことが多いです。

✨ 制汗剤で肌荒れが起きやすい方

塩化アルミニウムや香料、アルコールに対して皮膚が敏感な方は、デオドラント剤を使用することで接触性皮膚炎などの肌トラブルが生じることがあります。肌荒れが続くと制汗剤を使い続けることができず、適切なケアが困難になります。

📌 汗が非常に多い(多汗症を伴う)場合

ワキガと多汗症が合併しているケースでは、デオドラント剤だけで汗の量そのものを十分に抑えることが難しい場合があります。汗の量が多いと、それだけ細菌が臭いを分解する機会が増えるため、臭いも強くなりやすい傾向があります。

▶️ 精神的ストレスが大きい方

ワキガの臭いが気になるあまり、対人関係や社会生活に強いストレスや不安を感じている方は、セルフケアだけでは心理的な負担が解消されないことがあります。このような場合は、医療機関での根本的な治療を検討することで、心身ともに改善につながる可能性があります。

📝 ワキガのセルフチェック方法

自分にワキガがあるのか、あるいはどの程度なのかを判断することは意外と難しいものです。長年自分の体臭に慣れてしまっている方は、自分の臭いを感じにくくなっていることがあります。以下のセルフチェック方法が参考になります。

🔹 ガーゼやコットンを使ったチェック

清潔なガーゼやコットンを脇の下に当てて数分間押さえ、その後においを嗅いでみる方法です。ワキガ特有の酸っぱいような、あるいは動物系の独特の臭いがする場合、アポクリン汗腺の分泌が活発である可能性があります。

📍 耳垢の状態を確認する

ワキガと耳垢の状態には相関関係があることが知られています。耳垢が湿っている(湿性耳垢・飴耳)方は、アポクリン汗腺の活動が活発な傾向があり、ワキガを持っている可能性が高いとされています。乾いた耳垢(乾性耳垢)の方はワキガが少ない傾向にあります。ただし、これはあくまで目安であり、耳垢が湿っていても必ずしもワキガがあるわけではありません。

💫 白い衣服の脇の黄ばみを確認する

白い衣服の脇の下部分に黄色っぽいシミが付きやすい場合は、アポクリン汗腺からの分泌物が多い可能性があります。これはアポクリン汗腺が分泌する脂質やタンパク質が衣服に付着して変色したものです。

🦠 家族歴を確認する

前述のように、ワキガは遺伝的な影響が大きい症状です。親や兄弟姉妹にワキガの方がいる場合は、自身もワキガを持っている可能性が高いといえます。

自己判断が難しい場合や、症状が強いと感じる場合には、皮膚科や専門のクリニックで診断を受けることをおすすめします。医師による診断では、ワキガの程度を客観的に評価してもらうことができ、適切な治療法についてのアドバイスを得ることができます。

Q. ドラッグストア商品では対応が難しいワキガはどんな場合ですか?

他者から臭いを指摘されるほど臭いが強いケース、多汗症を伴うケース、制汗剤で肌荒れが起きやすい方、また臭いが気になって社会生活や対人関係にストレスを感じている場合は、市販品での対応が難しくなります。こうした場合は、アポクリン汗腺に直接アプローチする医療機関での専門治療を検討することが推奨されます。

💡 医療機関での治療との違いと使い分け

ドラッグストアのセルフケア商品と、医療機関での治療の最大の違いは「根本的な原因へのアプローチ」にあります。

👴 市販品の役割:症状を一時的に抑える

ドラッグストアで購入できるデオドラント商品は、あくまで汗や臭いを一時的に抑えるための「対症療法」です。使用している間は効果がありますが、使用を止めると元の状態に戻ります。ワキガの原因であるアポクリン汗腺自体には作用しないため、根本的な解決にはなりません。

軽度のワキガや、日常生活での臭い対策として継続的に使用することには意義がありますが、「治療」という観点からは限界があります。

🔸 医療機関での治療:原因に直接アプローチする

医療機関では、ワキガの原因であるアポクリン汗腺そのものに作用する治療法が提供されています。主な治療法としては以下のものがあります。

外科的切除術(皮弁法・剪除法)は、皮膚を切開してアポクリン汗腺を直接除去する手術です。効果が高く、一度の手術で長期間または永続的な改善が期待できます。ダウンタイム(回復期間)は数日〜数週間程度必要です。

超音波(ビューホット・マイクロ波)治療は、皮膚の外側から超音波やマイクロ波のエネルギーを照射してアポクリン汗腺を破壊する非侵襲的な治療法です。切開を伴わないためダウンタイムが比較的少なく、近年人気が高まっています。複数回の治療が必要なケースもあります。

吸引式皮下組織除去術(ベイザーリポ法など)は、細い管を挿入して吸引しながらアポクリン汗腺を除去する方法で、切開の範囲が小さく傷跡が目立ちにくいのが特徴です。

医療機関での処方薬(高濃度塩化アルミニウム液)は、市販品よりも高濃度の塩化アルミニウム溶液を処方してもらう方法です。手術を望まない方やまず薬物療法を試したい方に適しています。

💧 セルフケアと医療機関を上手に使い分ける

臭いが比較的軽度で日常生活にほとんど支障がない場合は、ドラッグストアのデオドラント商品を適切に使用しながら継続的なセルフケアを行うことで対応できるケースがあります。

一方、以下のような場合は医療機関への相談をおすすめします。

  • 市販のデオドラント商品を使っても臭いが気になる
  • 他者から臭いを指摘されたことがある
  • 臭いが気になって社交的な場を避けるようになった
  • 日常生活や仕事において精神的なストレスを感じている
  • 肌が敏感でデオドラント剤を使うと荒れてしまう
  • 根本的な解決を望んでいる

ワキガは適切な医療的アプローチによって大幅に改善できる症状です。「ワキガくらいで病院に行くのは大げさ」と思わず、気になる場合は専門家に相談することを検討してください。

✨ クリニック選びのポイント

ワキガ治療を行う医療機関を選ぶ際には、ワキガ治療の実績が豊富であること、複数の治療法の中から自分に合ったものを提案してもらえること、カウンセリングで丁寧に相談できること、費用と効果についての説明が明確であることなどを確認するとよいでしょう。

治療方法によっては保険適用されるものもありますが、多くの場合は自由診療(保険適用外)となります。術式によっては保険が適用されるケースもありますので、事前に医療機関に確認することをおすすめします。

✨ よくある質問

ドラッグストアのデオドラント商品でワキガは治りますか?

市販のデオドラント商品は、汗や臭いを一時的に抑える「対症療法」です。使用中は効果がありますが、使用をやめると元の状態に戻ります。ワキガの原因であるアポクリン汗腺そのものには作用しないため、根本的な治療にはなりません。軽度の臭い対策には有効ですが、完治を目指す場合は医療機関への相談をおすすめします。

制汗剤は朝と夜、どちらに使うのが効果的ですか?

特に塩化アルミニウムを含む制汗剤は、就寝前の乾燥した肌に使用する「夜塗り」が効果的です。睡眠中は汗の分泌量が少ないため、成分が汗腺により効果的に作用します。朝の使用と比べて制汗効果が高まるケースがあるため、夜のスキンケアの一環として取り入れることをおすすめします。

市販品と医薬部外品のデオドラントは何が違いますか?

「医薬部外品」は国(厚生労働省)が有効成分と効能を認めた製品で、パッケージに「制汗」「防臭」などの効能効果を表記することが認められています。一方、「化粧品」に分類される製品は効能効果の表記が制限されており、デオドラントとしての働きは控えめになることが多いです。臭いや汗が気になる方は、まず「医薬部外品」と表示された製品を選ぶとよいでしょう。

自分がワキガかどうか、セルフチェックする方法はありますか?

いくつかの方法で確認できます。清潔なガーゼを脇に数分当てて臭いを嗅ぐ方法、耳垢が湿っている(飴耳)かどうかの確認、白い衣服の脇に黄ばみが付きやすいかどうかのチェック、家族にワキガの方がいるかの確認などが参考になります。ただし、自己判断が難しい場合は皮膚科や専門クリニックでの診断をおすすめします。

ドラッグストア商品では対応が難しいのはどんなケースですか?

以下のケースではセルフケアだけでは限界を感じることが多いです。臭いが強く他者から指摘されるほどのワキガ、制汗剤で肌荒れが起きやすい方、多汗症を伴うケース、臭いが気になって社会生活にストレスを感じている場合などです。このような場合は、アポクリン汗腺そのものに直接アプローチできる医療機関での専門的な治療を検討することをおすすめします。

📌 まとめ

ワキガ対策としてドラッグストアで購入できる商品は、スプレー、ロールオン、クリーム、シート、スティックなど多岐にわたり、それぞれ含まれる成分や効果に違いがあります。塩化アルミニウムを主成分とした制汗剤や、抗菌成分・消臭成分を含む医薬部外品は、軽度から中等度のワキガの臭い対策に役立ちます。

しかし、こうした市販品はあくまで症状を一時的に抑える対症療法であり、ワキガの原因であるアポクリン汗腺への根本的なアプローチにはなりません。商品の種類や使い方を正しく理解し、日々の清潔習慣と組み合わせて使用することが大切です。

また、市販品で対応しきれない程度の臭いがある場合や、日常生活・精神面に支障をきたしている場合には、医療機関での専門的な治療を検討することが解決への近道になります。ワキガは決して珍しい症状ではなく、適切な治療によって大きく改善できる状態です。自分一人で悩み続けず、まずはセルフチェックを行い、必要に応じて専門家への相談を検討してみてください。

ワキガラボでは、ワキガに関する正確な情報の提供と、患者様一人ひとりの状態に合った治療法のご提案を大切にしています。お悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – ワキガ(腋臭症)の定義、診断基準、アポクリン汗腺のメカニズム、および皮膚科的治療法に関するガイドラインや学術的根拠として参照
  • 厚生労働省 – 医薬部外品と化粧品の分類・定義・効能効果の表記ルールに関する規制情報として参照
  • PubMed – 腋臭症(ワキガ)のアポクリン汗腺メカニズム、遺伝的要因、耳垢との相関関係、および各種治療法の有効性に関する国際的な査読済み学術論文として参照

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