「ワキガと診断されたわけではないのに、なぜか脇が臭う」「自分でも気になるほど脇の臭いがきつくなってきた」そんな悩みを抱えている方は、実は少なくありません。ワキガは遺伝的な体質によるものとして知られていますが、ワキガではない人でも脇が臭くなる原因はさまざまあります。本記事では、ワキガではないのに脇が臭う理由を医学的な観点から丁寧に解説し、日常生活でできるケア方法や改善のヒントをご紹介します。臭いの悩みをひとりで抱え込まず、正しい知識を持って対処していきましょう。
目次
- ワキガと「脇の臭い」はどう違うのか
- ワキガではないのに脇が臭う主な原因
- 汗の種類と臭いの仕組み
- 生活習慣が脇の臭いに与える影響
- 食生活と脇の臭いの関係
- ホルモンバランスと脇の臭いの関係
- 皮膚疾患・体の状態と脇の臭い
- 脇の臭いを改善するための日常ケア
- 市販のデオドント製品の選び方と使い方
- クリニックへの相談が必要なケースとは
- まとめ
この記事のポイント
ワキガでなくても、皮膚常在菌による汗の分解、生活習慣、食事、ホルモンバランスの乱れなどが原因で脇が臭うことがある。日常ケアや食生活の改善で対処できる場合も多いが、改善しない場合は皮膚科や専門クリニックへの受診が推奨される。
🎯 1. ワキガと「脇の臭い」はどう違うのか
まず、ワキガと一般的な脇の臭いの違いについて正確に理解しておきましょう。ワキガは医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれ、脇の下にあるアポクリン汗腺から分泌される汗が原因で生じる独特の臭いを指します。アポクリン汗腺は性ホルモンの影響を受けて思春期以降に活発になるもので、皮膚の常在菌が汗の成分を分解することで特有の臭いが発生します。この臭いはツンとした刺激的な匂いが特徴で、遺伝的な体質が大きく関係しています。
一方、ワキガではない人の脇の臭いは、主にエクリン汗腺から出る汗や皮脂が原因で起こるものです。エクリン汗腺は全身に分布しており、体温調節のために汗を分泌します。この汗自体はほとんど無臭ですが、皮膚の常在菌が汗や皮脂を分解する過程で臭い物質が生成されます。つまり、ワキガではなくても、汗をかきやすい人や皮脂の分泌が多い人、菌が繁殖しやすい環境にある人は、脇の臭いが強くなることがあるのです。
ワキガかどうかを自己判断する方法のひとつとして、耳の中の耳垢を確認する方法があります。アポクリン汗腺が多い人は耳垢が湿っていることが多く、ワキガとの関連性が高いとされています。また、脇の毛に白や黄色っぽいものが付着している場合もワキガの可能性があります。しかし、これらはあくまで目安であり、正確な診断は専門の医療機関で行ってもらうことが大切です。
Q. ワキガと普通の脇の臭いの違いは何ですか?
ワキガ(腋臭症)はアポクリン汗腺から分泌される汗が皮膚の常在菌に分解されることで生じるツンとした刺激的な臭いで、遺伝的体質が関係します。一方、ワキガでない人の脇の臭いはエクリン汗腺の汗や皮脂が菌に分解されて発生するもので、体質・生活習慣・食事などが主な原因です。
📋 2. ワキガではないのに脇が臭う主な原因
ワキガではないにもかかわらず脇が臭う場合、その原因はいくつか考えられます。それぞれを理解することで、自分に合った対策を取りやすくなります。
まず最もよくある原因が、皮膚の常在菌による汗の分解です。脇の下は温度が高く、湿気がこもりやすい部位です。このような環境では細菌が繁殖しやすく、汗や皮脂を分解する際に酢酸やアンモニア、イソ吉草酸などの臭い物質が生成されます。これが「スッパい臭い」や「酸っぱい体臭」の正体です。
次に、衣類に染みついた臭いも見落としがちな原因のひとつです。一度汗を吸収した衣類をきちんと洗っていないと、細菌や汗の成分が繊維に残り、着るたびに体温で臭いが発生します。特にポリエステルなどの化学繊維は臭いが残りやすいとされています。
また、デオドント剤の使い方が不適切な場合も臭いの原因になります。デオドント剤を正しく使わないと、表面的に臭いを抑えているだけで、雑菌の繁殖を根本的に防げていないことがあります。さらに、毛穴に汚れや皮脂が詰まっている場合も臭いの元になります。
ストレスや疲労による発汗増加も原因として挙げられます。精神的なストレスを受けると、アポクリン汗腺が刺激されて汗の分泌量が増えることがあります。これにより、脇に細菌が繁殖しやすい環境が整ってしまうのです。
💊 3. 汗の種類と臭いの仕組み
脇の臭いを理解するうえで、汗の種類とそのメカニズムを知ることはとても重要です。人間の体には主に2種類の汗腺があります。エクリン汗腺とアポクリン汗腺です。
エクリン汗腺は全身に約200〜500万個存在し、体温調節を主な目的として機能します。エクリン汗腺から分泌される汗は、水分が99%以上を占めており、わずかな塩分や乳酸などを含みます。この汗自体はほぼ無臭ですが、長時間皮膚に残っていると細菌が分解し、酸っぱい臭いや雑菌臭の原因となります。
アポクリン汗腺は主に脇の下、乳首周辺、外陰部などに分布しており、エクリン汗腺と比べて数は少ないものの、分泌する汗にはタンパク質や脂質、糖質などが含まれています。これらの成分が皮膚の常在菌に分解されると、独特の強い臭いが生じます。これがワキガの主な原因です。
臭いが発生する仕組みをさらに詳しく説明すると、皮膚の表面には常在菌が生息しており、健康な皮膚を保つうえで重要な役割を果たしています。しかし、汗や皮脂が過剰に分泌されると、これらを栄養源として細菌が急速に増殖します。細菌が汗の成分を代謝する過程で、イソ吉草酸(足の臭いに似た臭い)、酢酸(酸っぱい臭い)、アンモニア(尿に似た刺激臭)などの物質が生成され、これが体臭として感じられます。
特に脇の下は体の中でも体温が高く、衣類で覆われているため湿度も高くなりやすい部位です。こういった温暖湿潤な環境は細菌の繁殖に最適な条件を作り出し、臭いが発生・増幅しやすい状態を作ってしまいます。
Q. 食生活は脇の臭いにどう影響しますか?
赤身肉や動物性脂質の過剰摂取は、腸内でアンモニアや硫化水素などの臭い物質を増やし、汗として排出されることで脇の臭いを強めます。反対に、野菜・発酵食品・食物繊維を積極的に摂ることで腸内環境が整い体臭が軽減されます。こまめな水分補給で汗を薄める効果も期待できます。
🏥 4. 生活習慣が脇の臭いに与える影響
日常的な生活習慣は、脇の臭いに大きく影響します。正しい習慣を身につけることで、臭いを大幅に軽減できる場合があります。
睡眠不足や不規則な生活は、自律神経のバランスを乱し、発汗量の増加や皮脂分泌の乱れを引き起こします。睡眠中は体の修復が行われ、皮膚のターンオーバーも促進されます。十分な睡眠をとることは、肌の状態を整え、雑菌が繁殖しにくい皮膚環境を保つうえで非常に重要です。
運動習慣も臭いに関係します。適度な運動は発汗を促し、汗腺の機能を健全に保ちます。運動不足になると、汗腺が衰え、汗に含まれる不純物の割合が増えて臭いが強くなることがあります。一方、激しい運動後は大量の汗をかくため、すぐにシャワーを浴びるなどのケアが必要です。
喫煙も脇の臭いと無関係ではありません。タバコに含まれる有害物質は皮膚から排出されることがあり、独特の体臭を引き起こすことがあります。また、喫煙は血行を悪化させ、皮膚の代謝を低下させるため、体臭の悪化につながります。
アルコールの摂取も臭いに影響します。アルコールは体内で代謝されるとアセトアルデヒドという物質に変わり、これが汗や呼気として排出されます。飲酒後に体臭が変わると感じる方が多いのはこのためです。
また、入浴の仕方も大切なポイントです。シャワーだけで済ませることが多い方は、皮脂や汚れが落ちにくく、細菌が繁殖しやすい状態になっていることがあります。湯船に浸かることで毛穴が開き、汚れが落ちやすくなります。ただし、脇の下を強くこすりすぎると皮膚のバリア機能が損なわれ、かえって細菌が増えやすくなるため注意が必要です。
⚠️ 5. 食生活と脇の臭いの関係
体臭と食生活の関係は、医学的にも認められており、日々の食事内容が脇の臭いに大きく影響することがあります。
動物性タンパク質や脂質を多く含む食事は、体臭を強くすることが知られています。肉類、特に赤身肉を大量に摂取すると、腸内でのタンパク質の分解が活発になり、アンモニアや硫化水素などの臭い物質が生成されやすくなります。これらが血液に吸収されて汗として排出されると、体臭が強くなる原因となります。
ニンニクや玉ねぎ、ネギなどに含まれるアリシンという成分も、体臭の原因になります。アリシンは体内で代謝された後、汗や呼気として排出されます。これらの食品を大量に摂取した翌日に体臭が気になる方は、この影響を受けている可能性があります。
一方、野菜や果物、食物繊維を豊富に摂ることは体臭の改善に役立ちます。食物繊維は腸内環境を整え、腸内での有害物質の発生を抑えます。腸内環境が整うと、臭い物質が血液に吸収される量が減り、体臭の軽減につながります。
腸内細菌のバランスも体臭に深く関わっています。善玉菌が優位な腸内環境では、臭い物質の産生が抑えられます。ヨーグルトや発酵食品、食物繊維を積極的に摂り、腸内環境を整えることが体臭対策として効果的です。
また、水分摂取も重要です。水分が不足すると汗の濃度が上がり、臭い成分の割合が高くなります。こまめな水分補給は汗を薄める効果があり、臭いの軽減に役立ちます。ただし、コーヒーや紅茶などのカフェインを多く含む飲み物は利尿作用があるため、かえって脱水を促すことがあります。水やノンカフェインの飲み物を選ぶことをおすすめします。
🔍 6. ホルモンバランスと脇の臭いの関係
ホルモンバランスの変化は、発汗量や皮脂分泌に大きく影響するため、脇の臭いとも密接な関係があります。
思春期は性ホルモンの分泌が急激に増えるため、アポクリン汗腺やエクリン汗腺の活動が活発になります。この時期に体臭が気になり始める方が多いのはこのためです。ただし、思春期の体臭は成長に伴うものであり、適切なケアを行うことで対処できます。
女性の場合、月経周期に伴うホルモン変動も体臭に影響します。排卵後から月経前の時期はプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加し、体温が上昇するとともに発汗量も増えます。この時期に「いつもより脇が臭う」と感じる方は、ホルモンバランスの変化が影響している可能性があります。
更年期もホルモンの変化が著しい時期です。女性の場合、エストロゲン(女性ホルモン)の減少によってホットフラッシュ(のぼせ・ほてり)が起こり、急に大量の汗をかくことがあります。この汗が脇の臭いを強める原因になることがあります。また、男性も加齢とともにテストステロン(男性ホルモン)のバランスが変化し、体臭が変わることがあります。
甲状腺機能の異常も発汗と体臭に影響することがあります。甲状腺機能が亢進すると代謝が上がり、発汗量が増えます。特に思い当たる原因がないのに大量の汗をかき、体臭が強くなった場合は、甲状腺の状態を確認することも重要です。
ストレスホルモンとして知られるコルチゾールやアドレナリンも、発汗に深く関わっています。精神的なストレスを受けたときや緊張状態にあるとき、これらのホルモンが増加してアポクリン汗腺を刺激します。日常的なストレス管理も、脇の臭い対策において大切な要素のひとつです。
Q. ホルモンバランスの変化で脇が臭くなる理由は?
思春期・月経周期・更年期などホルモンが大きく変動する時期は、アポクリン汗腺やエクリン汗腺の活動が活発になり発汗量が増加します。特に女性は排卵後から月経前にプロゲステロンが増えて体温と発汗量が上昇し臭いが強まることがあります。甲状腺機能の異常も過剰な発汗を引き起こす場合があります。
📝 7. 皮膚疾患・体の状態と脇の臭い
脇の臭いが気になる場合、皮膚の状態や全身の健康状態も確認する必要があります。ときには、皮膚疾患や内科的な状態が臭いの原因となっていることもあります。
脂漏性皮膚炎は、皮脂の過剰分泌と皮膚の常在菌であるマラセチア菌の異常増殖によって起こる皮膚疾患です。頭皮や顔に出やすい疾患ですが、脇の下にも発症することがあり、赤みやかゆみとともに臭いを伴うことがあります。
毛嚢炎(もうのうえん)も脇の臭いの原因になることがあります。毛嚢炎は毛根部分に細菌感染が起きる疾患で、脱毛後や剃刀負けをきっかけに発症することがあります。炎症が起きた部分から膿が出ることで、強い臭いが生じます。
化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)という疾患も存在します。これは、毛穴の詰まりと細菌感染が繰り返されることで、脇の下に痛みを伴う硬いしこりや膿が生じる慢性疾患です。臭いが非常に強く、再発を繰り返す特徴があります。この疾患は自己ケアでの対処が難しく、皮膚科や形成外科での適切な治療が必要です。
糖尿病の方は独特の体臭を生じることがあります。血糖コントロールが不良な場合、脂肪酸の代謝異常によってケトン体が増加し、甘酸っぱいような独特の臭いが発生することがあります。また、糖尿病は免疫機能を低下させるため、皮膚への細菌感染が起こりやすくなり、体臭が強くなることもあります。
腎臓や肝臓の機能低下も体臭に影響します。腎臓の機能が低下すると、体内の老廃物が適切に排泄されず、アンモニア臭のような体臭が生じることがあります。肝臓の機能低下では、解毒作用が弱まり、アンモニアや硫化物が体内に蓄積されることで独特の体臭が発生します。
これらの疾患に心当たりがある場合や、急に体臭が変化した場合は、自己ケアだけで対処しようとせず、早めに医療機関を受診することをおすすめします。
💡 8. 脇の臭いを改善するための日常ケア
脇の臭いを根本的に改善するためには、継続的な日常ケアが欠かせません。以下に、効果的なケア方法を詳しくご紹介します。
まず、入浴時のケアが最も基本となります。脇の下は汗や皮脂が溜まりやすいため、石けんやボディソープを使って丁寧に洗いましょう。ただし、強くこすりすぎると皮膚を傷めてしまいます。泡立てた石けんを使い、やさしく洗うことが大切です。石けんは弱酸性のものを選ぶと、皮膚のpHバランスを保ちやすくなります。
脇の毛の処理方法も臭いに影響します。脇毛は汗や皮脂を吸収し、細菌が繁殖しやすい環境を作ります。定期的に処理することで、臭いを抑えやすくなります。ただし、剃刀を使う場合は皮膚を傷つけないよう注意し、使用後の保湿ケアも忘れずに行いましょう。
衣類の選択と洗濯も重要なポイントです。通気性の良い綿や麻素材の衣類は汗を吸収しやすく、蒸れにくいため細菌が繁殖しにくい環境を作ります。ポリエステルなどの化学繊維は通気性が低く、臭いが残りやすい傾向があります。また、着用した衣類はこまめに洗濯し、乾燥をしっかり行うことが大切です。部屋干しで生乾きの状態になると、雑菌が繁殖しやすくなります。
脇の下を清潔に保つために、こまめな汗の拭き取りも効果的です。外出先でも、汗をかいたらすぐに拭き取る習慣をつけることで、細菌の繁殖を抑えることができます。制汗シートやウェットシートを活用するのも良い方法です。
腸内環境を整えることも体臭改善に効果的です。ヨーグルト、納豆、キムチなどの発酵食品を積極的に摂り、善玉菌を増やすことで、腸内での臭い物質の産生を抑えることができます。また、食物繊維を豊富に含む野菜や果物を積極的に摂ることも腸内環境改善に役立ちます。
ストレス管理も忘れてはならない要素です。ストレスを感じると発汗量が増えるため、適切なストレス解消法を見つけることが重要です。運動、瞑想、趣味の時間を設けるなど、自分に合ったリラックス法を日常生活に取り入れましょう。
Q. 脇の臭いが改善しない場合はどうすればよいですか?
日常ケアや市販のデオドラント製品を使っても臭いが改善しない場合は、多汗症や化膿性汗腺炎など医療的対応が必要な状態の可能性があります。急に体臭が変化した場合は内臓疾患が関係することもあります。皮膚科や専門クリニックでは、ボトックス注射や外科的治療など適切な治療法を提案してもらえます。
✨ 9. 市販のデオドント製品の選び方と使い方

市販のデオドント製品にはさまざまな種類があり、それぞれの特徴を理解して選ぶことが大切です。
デオドント製品は大きく分けて「制汗剤」と「デオドタント剤」の2種類があります。制汗剤は汗腺を一時的に塞いで発汗を抑えるもので、主な有効成分として塩化アルミニウムや塩化アルミニウムヘキサヒドラートなどが使われています。一方、デオドタント剤は汗自体を抑えるのではなく、細菌の繁殖を抑えたり、臭いを吸収・中和したりすることで臭いを防ぎます。
剤型としては、スプレー、ロールオン(ボールタイプ)、スティック、クリームなどがあります。スプレータイプは手軽に使えて広い範囲に使用できますが、密着度はやや低めです。ロールオンタイプは液体が直接肌に塗れるため、成分が肌に密着しやすく効果が持続しやすいとされています。スティックタイプは塗りやすく、白いあとが残りにくいものも多くあります。クリームタイプは保湿効果も期待できますが、べたつきが気になる方には向かないこともあります。
制汗・デオドント成分として注目されているもののひとつに、ミョウバン(カリミョウバン)があります。ミョウバンには収れん作用と抗菌作用があり、発汗を抑え、細菌の繁殖を防ぐ効果があります。ミョウバン水として自作する方もいますが、使用する場合は適切な濃度で使用することが大切です。
デオドント製品を使用する際のポイントとして、清潔な肌に使用することが大前提です。汗や汚れが残った状態で使っても十分な効果が得られません。入浴後や洗浄後の清潔な状態で使用しましょう。また、皮膚に傷がある場合や、剃毛直後はかぶれの原因になることがあるため注意が必要です。
なお、市販品で十分な効果が得られない場合は、皮膚科で処方される塩化アルミニウム製剤などの医療用制汗剤を検討することもひとつの選択肢です。市販品よりも高い濃度の有効成分が含まれており、多汗症の方にも効果的です。
敏感肌の方は、アルコールフリーや低刺激のものを選ぶと肌トラブルを防ぎやすくなります。香料による刺激が気になる方は、無香料タイプを選ぶと良いでしょう。製品ごとに成分が異なるため、パッチテストを行ってから使用することをおすすめします。
📌 10. クリニックへの相談が必要なケースとは
日常的なケアや市販品を使用しても臭いが改善しない場合や、臭いの原因が明確でない場合は、専門のクリニックへの相談を検討しましょう。
多汗症(たかんしょう)の可能性がある場合は、皮膚科や専門クリニックへの受診が有効です。多汗症は局所的または全身的に過剰な発汗が起こる状態で、脇の場合は「腋窩多汗症(えきかたかんしょう)」と呼ばれます。日常生活に支障をきたすほどの発汗がある場合は、医療機関で適切な治療を受けることができます。治療法としては、塩化アルミニウム外用薬、ボツリヌストキシン注射(ボトックス注射)、電気を使ったイオントフォレーシス、内服薬などがあります。
脇の下に繰り返すしこりや膿が生じる場合は、前述した化膿性汗腺炎の可能性があります。この疾患は自己治療では改善が難しく、皮膚科や形成外科での専門的な治療が必要です。放置すると瘢痕が形成されることもあるため、早めに受診することが大切です。
ワキガ(腋臭症)の可能性がある場合も、クリニックへの相談が効果的です。ワキガと通常の体臭は自己判断が難しいこともあるため、専門家に診てもらうことで正確な診断を得ることができます。ワキガの治療には外用薬によるケアから、外科的なアポクリン汗腺除去手術まで、さまざまな選択肢があります。
急に体臭が変化した場合も注意が必要です。これまで感じなかった強い臭いが突然現れた場合、内分泌疾患や代謝疾患、臓器の機能低下などが原因である可能性があります。このような場合は、皮膚科だけでなく内科を受診して全身の状態を確認することが重要です。
クリニックを受診する際は、臭いの種類(酸っぱい、アンモニア臭、甘い臭いなど)、いつ頃から気になり始めたか、どのような状況で臭いが強くなるか、現在行っているケアの内容などを事前にまとめておくと、診察がスムーズに進みます。
また、臭いの悩みはデリケートな問題であるため、受診をためらう方も多いかもしれません。しかし、専門のクリニックではこのような相談に日常的に対応しており、適切なアドバイスや治療を受けることができます。臭いの悩みは一人で抱え込まず、専門家に相談することが解決への近道です。
🎯 よくある質問
耳垢が湿っている場合や、脇の毛に白・黄色っぽいものが付着している場合はワキガの可能性があります。また、ワキガ特有のツンとした刺激的な臭いが特徴です。ただし、これらはあくまで目安であり、正確な判断は難しいため、気になる場合は専門のクリニックで診断を受けることをおすすめします。
はい、大きく影響します。赤身肉や動物性脂質の過剰摂取はアンモニアなどの臭い物質を増やす原因になります。一方、野菜・果物・発酵食品・食物繊維を積極的に摂ることで腸内環境が整い、体臭の軽減につながります。また、こまめな水分補給も汗を薄める効果があり、臭い対策として有効です。
臭いの原因に合わせて選ぶことが大切です。発汗が多い方には塩化アルミニウム配合の制汗剤、細菌による臭いが気になる方には抗菌成分入りのデオドタント剤が適しています。敏感肌の方はアルコールフリー・無香料タイプを選び、必ずパッチテストを行ってから使用しましょう。清潔な肌への使用が効果の前提です。
はい、あります。思春期・月経周期・更年期などホルモンが変動する時期は、発汗量の増加や皮脂分泌の乱れが起こりやすく、脇の臭いが強くなることがあります。また、甲状腺機能の異常でも発汗が増える場合があります。心当たりがある場合は、当院のような専門クリニックや内科への相談をご検討ください。
多汗症や化膿性汗腺炎など、医療的な対応が必要な状態の可能性があります。また、急に体臭が変化した場合は内臓疾患が関係していることもあります。当院では、臭いの種類や発症時期などを詳しくお聞きしたうえで、ボトックス注射や外科的治療を含む適切な治療法をご提案しています。一人で悩まずご相談ください。
📋 まとめ
ワキガではないけど脇が臭いという悩みは、汗の分泌と細菌の繁殖、皮脂の過剰分泌、生活習慣、食事、ホルモンバランス、皮膚疾患など、さまざまな要因によって起こります。ワキガは遺伝的な体質によるものですが、それ以外の脇の臭いの多くは、日常的なケアや生活習慣の改善によって対処できる可能性があります。
まず大切なのは、自分の臭いの原因を正しく把握することです。食生活、睡眠、ストレス、衣類の素材、ケア方法など、思い当たる要因を見直し、改善できるものから取り組んでいきましょう。毎日の入浴でしっかりと脇を清潔に保ち、適切なデオドント製品を選んで使用することが基本的なケアとなります。
しかし、日常的なケアを続けても改善が見られない場合や、臭いが突然変化した場合、脇の下に症状を伴う場合は、専門のクリニックへの相談をためらわないでください。多汗症や化膿性汗腺炎など、医療的な対応が必要な状態である可能性もあります。また、ワキガかどうかの判断に迷う場合も、正確な診断を受けることで、最適な治療や対策を選ぶことができます。
臭いの悩みはQOL(生活の質)に大きく影響します。一人で抱え込まず、正しい知識と適切なケア、そして必要に応じた専門的なサポートを活用して、脇の臭いの悩みを解消していきましょう。
📚 関連記事
📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 腋臭症(ワキガ)・多汗症の診断基準や治療方法に関する情報。記事中のワキガと一般的な脇の臭いの違い、アポクリン汗腺・エクリン汗腺の仕組み、化膿性汗腺炎・毛嚢炎などの皮膚疾患に関する記述の根拠として参照。
- 厚生労働省 – 生活習慣・衛生管理・食生活・ストレス管理が体臭や皮膚の健康に与える影響に関する情報。記事中の生活習慣・食生活・ホルモンバランスと脇の臭いの関係に関する記述の根拠として参照。
- PubMed – 脇の臭いと皮膚常在菌・汗腺機能・体臭成分(イソ吉草酸・酢酸・アンモニアなど)に関する国際的な医学研究論文。記事中の汗の種類と臭いの発生メカニズム、腸内環境・糖尿病・臓器機能低下と体臭の関連に関する記述の科学的根拠として参照。

